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2008年2月

手ぬぐいを染める

先日の大阪出張でおじゃました、注染工場。
HIROCOLEDGEの手ぬぐいを染めてくださっているところです。

注染(ちゅうせん)とは、その名の通り、染料を注いで染めるから注染。

明治時代に合成染料が輸入されるようになり、発展した染色技法。

手ぬぐい約20枚分の長さの晒(一疋(いっぴき/反物2反分)と数えます)を
手ぬぐいの長さに畳みながら、生地と生地の間に糊を置いていきます。
 
Photo
 
この写真、ちょっとわかりづらいですが、
職人さん右手の大きなボールに入っているのが糊。
土と海草でできていて、水洗いで落ちる天然成分の糊。
生地の上に型紙を置いて糊を引き、型紙を上げて生地を重ねて、型紙を置いてまた糊。
型紙を上げてまたまた生地を重ねて、型紙を置いてまたまた糊。
の、繰り返し。
わかりづらい?
これを見たらわかるかな?
 
Cyusen_process_2
 
重ねた生地を染料が貫通して、一度にたくさん染められる。
だから裏も表も同じように染まるし、とても効率のいい技法。
顔料でプリントするのと違って表裏がないし、
通気性や吸水性も損なわないのもいいところ。

 
糊を置く職人さんは、一日中糊置き。
各工程をその専門の職人さんが行なう、分業制。

糊置きの次は染め。

Photo_2
 
色と色の間に生クリームをしぼるように糊の壁を作って、染料をせき止めます。

色と色が接してる場合は、壁を作る隙間がないから2度染め。
つまり、すべての行程を2回繰り返す。
糊置きして染めて洗って乾燥×2
柄が複雑だと4回染めなんて場合も。すごい!


職人さんが持っているじょうろ。
このじょうろの口。水切れ良すぎ。
水切れが良くないと、染まってはいけない場所に染料がたれてしまうからなのですが、
これを作る職人さんがもういないって。
廃業していく注染工場から引き取って、大事に使っているそう。


伝統技術を残していこうと思っても、材料を作る人や、道具を作る人がいなければ、
その技術を活かす事ができない。
例えば、手ぬぐい制作の一部の工程で使われる道具がひとつないだけで、
注染はできないなんてことになる。
そうなれば、手ぬぐいは違う技法で染められて、
風合いが変わってしまうかもしれないし、値段だって高くなってしまうかもしれない。。。

世界中どこもそうだし、どの伝統技術をとってみても、そういう問題を抱えてる。


あ、話がそれましたが、染め上がり。
 
Photo_3
 
まだ濡れてるから、色が鮮やか。
写真は各工程のメインショットだけですが、実は、
合間にも細か〜い作業があって、すごく驚きました。
繊細にケアしながら、大胆に染める。
感動的。


そして、水元(みずもと/水洗いすること)。
  
Photo_4
 

自然乾燥。
 
Photo_5
 
6、7m程の高さからつり下げて乾燥させる。
上の方の足場に人がいるのが見えます。
すぐ乾くのも、手ぬぐいの利点。


この後、整理屋さんに引き渡し、きれいに皺をのばして、裁断。
手で一枚ずつ切っていくから、斜めに切れていたりする場合もあるけれど、
何度か洗うと、自然に緯糸(よこいと)がほつれてまっすぐになる。
そのほつれも、洗っているうちに生地の目が詰まってきて止まる。

そうそう、手ぬぐいの端がなぜ縫われていないかというと、
昔、下駄や草履の鼻緒が切れたときや怪我をしたとき、
手ぬぐいを手で縦に裂いて使っていたそうです。
手で裂きやすいというのがポイント。
そして、タオルの端のように厚い部分がないから、すぐ乾くし、雑菌も繁殖しにくい。
好きな大きさに切って使っても、もともと切りっぱなしだから気にならない。

もちろん手を拭くという用途のほかに、体を洗ったり、
ホコリよけや日よけに頭にかぶったり、首に巻いたり、腰に巻いたり。
たくさん使って風合いが柔らかくなったら、赤ちゃんのおむつに。
その後は雑巾に。
そして、昔はこの後にも用途が。
それは、お風呂を沸かすための燃料として燃やすということ。
綿100%だからできること。


タオルとはまったく違う存在。
江戸時代はリサイクルが当たり前だったという。
まずは、その時代に存在していた精神性だけでも見習いたい。


この注染という技術は、かなり貴重。
工場や職人が減っているのは、必要がない時代だから?
手ぬぐいは最近かなり見直されてはいるけど、
新たに職人になる人が増えているわけではないし。。。。

でも、もしも時代に合っていないからと消えてしまいそうになっても、
未来に伝えていくべきものだと思う。
日本には、こんな特殊な面白い技術があったということを。
注染だけではない。
すべての日本の伝統技術、伝統文化に言えること。


手ぬぐいを手に取る時に、見た目の善し悪しだけでなく、
職人さんや注染という技術のことをすこしでも思い出してもらえたら私も嬉しい。


モノの裏側にあること、知れば知るほど愛着も沸く。

そのモノの裏側を知りたいと思ってもらえるようなもの、
興味を持ってもらえるようなデザインをすること。

それが私の役目。
  
 

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SLEEVE BAG

現在、国立新美術館で開催中の「HIROCOLEDGE TENUGUI展」。
3月3日まで期間が延長となりました。

今回は手ぬぐいを中心に販売しておりますが、
手ぬぐいよりもご好評いただいているのが、『SLEEVE BAG』。

以前は、手ぬぐいバッグと呼んでおりましたが、
きちんと名付けて、意匠&商標を出願中です。

Sleeve_bag_il

『SLEEVE BAG』とは。。。

着物の袂(たもと)同じような平らな形状で、
むかしむかし着物が日常着であった頃、荷物を袂に入れていたように、
「いつでも使える収納バッグとして常に持ち歩いてほしい」という気持ちが込められています。
また、袂には「そば・かたわら」という意味もあり、
エコバッグとして身近な存在となってほしいとの思いから
『SLEEVE BAG』と名付けました。

このバッグ、手ぬぐいをまったく切らずに、縫い合わせるだけで作られています。
ボタンやファスナーもついていないから、
何度も洗ってボロボロになったら、雑巾にして燃えるゴミに。

先日の大阪出張でもお会いしてきた、注染の職人さん。
(注染については後ほど)
私が思っていた以上に、HIROCOLEDGEの手ぬぐいを
手間と時間をかけて染めてくださっていました。

そんなふうに生み出された手ぬぐいを、少しも切って捨てたくない。
だったら手ぬぐいのままの方がいい。
でも、手ぬぐいだと使い道がわからないという方にも、
手ぬぐいに触れて欲しい。

というわけで、誕生したのが『SLEEVE BAG』なのです。

Ren_photo
 
 
環境に対して、他人に対して。
少しずつでも何かできる事。
ストレスなし、もしくはそれを楽しめるような。
その手助けができるようなモノが作れるといいな。
 
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「HIROCOLEDGE TENUGUI展」
期間:1月9日(水)〜3月3日(月)
場所:国立新美術館地下1階「スーベニア・フロム・トーキョー」
営業時間:10:00〜18:00(金曜日のみ20:00)
定休日:毎週火曜日(祝日または休日にあたる場合は開館し、翌日休館)
国立新美術館:東京都港区六本木7-22-2/電話:03-6812-9933
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大阪・京都出張中

実は、19日から大阪に来てます。
大阪でHIROCOLEDGEの手ぬぐいを染めてくださっている職人さんにお会いしたり、
京都でHIROCOLEDGEの帯を織ってくださっている職人さんにお会いしたり、
その他にも、服地の染工所さんにおじゃましたり、
と、いろいろ動き回ってます。

工場見学って感じ。
職人さんの仕事を見るのってすっごく楽しい。

これについては、後日改めて書くとして。。。。

今日の夕食のこと。
梅田にある、お気に入りのイタリアンレストラン。
その名も『GNOCCHI』(ニョッキ)。
 
Photo
 
以前、友人に連れて来てもらってから、
忘れられずにいました。
食べたくて食べたくて仕方なかったのが、これ。
 
Photo_2
 
プロシュートとルッコラのピッツァ。

ルッコラ大好きっ子としては、たまりません。
イタリアだと、ルッコラだけがてんこ盛りだったりしますが、
日本だとルッコラ高いですよね。
ここのは、レタスが混ざっていて、ルッコラの苦みを緩和しつつ、
オリーブオイルとバルサミコ(たぶんね)の酸味がホントに絶妙です。

日本にいながらにして美味しいピッツァを食す。
幸せ。
でも、このお店で幸せを感じることができるのは、
素敵な笑顔の店長さんのおかげ。

こちらに気付いて、駆け寄って来てくれた店長さんが言いました。

「すごい日に来ますね〜。実は今日が最後なんです。」

えっ????

なんというタイミング。
日本を離れてしまうそう。
でも、まだ28歳。
いろいろ挑戦できるいい年齢だもんね。

そんな店長さんが最後に出してくれたのがこれ。
 
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うれしいよ〜!
 
帰り際にパチリ。
 
Photo_4
 
左がハッピースマイル店長さん。
右は新しい店長さん。
またまた良い感じです。

店長さんに会えないのはさびしいけど、
美味しいので大阪に来たらまた行きます。
明日、ランチしてから帰ろうかな。(しつこく食いだめ?)
 
広々とした雰囲気のいいお店で、美味しいものを味わって。
素敵なサービスと笑顔で、お腹も心も満たされて。
久々に、ほっこりふんわ〜りした、幸せ〜な気持ちになりました。

東京にいると、いろんなことに追われすぎて
こんな気持ちになかなかなれないのよね。。。。

人を幸せにできる人は、本当に素晴しいと思う。

私ができるのはモノを生み出すこと。

自分の好きなことで、人を幸せにできるのなら、それが一番いい。
それにかかわる人全員。
材料を作る人、道具を作る人、それを運ぶ人、デザインする人、作る人。
それを売る人、買う人、使う人。
みんなが幸せになれるモノ作りじゃなきゃ意味がない。
これまた難しいことなのだけど、目指してるのがHIROCOLEDGE。

頑張らねば。。。

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ねこえみちゃんライブ

パリに住んでいた時、
共通の友人を介して仲良くなった猫沢エミちゃん
先日、彼女のライブに行ってきました。

私くらいの世代なら、あの猫沢エミ!!!????
となるはずです。
 
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マルチな才能を発揮しているアーティスト。
キャラがずば抜けてすばらしい。
「ついて行きまっす!」と言いたくなるようなアネゴです。

3月から夏まで、またパリに行ってしまうらしいので、
次回のライブは夏。

楽しみ。
 
 

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結婚式

鎌倉。鶴岡八幡宮にて。
 
Photo
 
新婦が私の作品を着ています。

振袖と帯。

こういう神聖な場でも、なじんでるのが不思議?

ていうか、ここでの挙式に、私の作品を選んだ新婦のセンスに脱帽。
 
着物って奥深い。。。。(今さら?)
 
 

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表参道ヒルズ2周年

このブログでおなじみのHIDA OMOTESANDO
今月7日の表参道2周年と共に、HIDA OMOTESANDOも2周年。
そのタイミングで、HIDAの新作チェア&テーブルが発表されました。

そのひとつはコレ。
“Arcus”
Arcus01
“Arcus”(アークス)はラテン語で「弓」という意味。
エンツォ・マーリは、その端正なたたずまいに、日本の精神性を表す和弓を重ね合わせました。
(HIDAサイトより)

素敵!
またもやMOMA行きでは!?
座面のレザーは黒と白がありますが、どちらもかっこいい!
HIDAのこれまでのデザインの中でも、かなり洗練されていてシャープな印象。
マーリさん、さすがです。


そして、もうひとつは。
“Bambola”
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“Bambola”(バンボラ)とはイタリア語で「人形」の意味。着せ替えのできる可愛いチェアです。
ムクムクと動き出してきそうなフォルムは、絵本や積み木まで創作するエンツォ・マーリならでは。
今回は特別にプロトタイプを展示。(カバーはHIROCOLEDGEとのスペシャル・コラボレーション)
(HIDAサイトより)

そうなのです。
上記の通り、HIDAとHIROCOLEDGEのコラボです。
言い換えれば、エンツォ・マーリさんと高橋理子のコラボ!?
これはプロトタイプですが、商品化の予定も???
写真は、ヒルズ2周年パーティーの時に撮ったものなので、いずれきちんと写っているものをアップしますね。
ソファとチェアの間のような、柔らかい座り心地。
イタリア語で「人形」の意味を持つチェアらしく、なんだか愛嬌のある、かわいらしいフォルムです。
着せ替え人形のようにカバーを変えて楽しめる。
しばらく側においておくと、ホッとする。
これは癒し系チェアですね。


表参道ヒルズ及び、HIDA OMOTESANDOが1周年の時には、
HIROCOLEDGE展を開催しました。
 
Img_3449
 
飛騨産業及びHIDAの皆様とは、ちょうど一年前、この頃からのおつきあいです。
HIDAとHIROCOLEDGEの、モノ作りに対する思いが同じということで(なんと光栄な事でしょう!)
今に至っております。


私もはやく手に入れたい。。。HIDAプロダクツ。
杉の木目をそのまま活かした、すべて一点ものとも言える外見。
しかも、圧縮という素晴らしい技術により誕生。
さらりとした表面の質感は、ずっと触れていたいと思わせる心地よさ。

素晴らしい思いを持ったHIDAのプロジェクトを、多くの人に知ってもらいたいですね。
 
 

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ニューヨーク報告書

遅ればせながら、ニューヨークのこと。
ご報告。
写真ばっかりですが。。。

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LAからNYへ。
機内で意味もなく編み物。
LAでかわいい編み針を発見してしまったので、
無性に編み物がしたくなってしまったのでした。。。
 
 
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NY初日は雨。さ、寒い。。。
  
 
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チェルシーマーケット。
野菜を単純にかわいいと思ってしまうのはなぜ?
 
 
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ニューヨークコレクションメイン会場で出会ったワンちゃん。
散歩途中風のおじさまが、ひょいと抱かせてくれました。
ポメラニアンだと言っていたけど、ホント???
人間の子供みたいな、犬っぽくない動きがたまらなくかわいい!
あ〜、もう一度会いたい!!!!
 
 
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セントラルパークにて。
ちょっと不忍池に景色がにてると思うんだけど。
分かってくれる人は、少なそうだわ。。。
 
 
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ギャラリーオーナーのお宅へおじゃましました。
お部屋には、世界各国のアーティストの作品が
ちりばめられていました。
家具もいろいろ。
そのメインは、エンツォ・マーリさんデザインのHIDAのテーブルとチェア。
ソファには、HIROCOLEDGEのクッション。
こんなところで出会うと嬉しいもんですね。
ちなみに、クッションは、表参道ヒルズのHIDA OMOTESANDOで扱っていま〜す。
 
 
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超有名なあのパストラミサンド。
ビールと合い過ぎ!!!
 
 
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滞在中に、スーパーボウルでNYのジャイアンツが優勝!
タイムズスクウェアは大騒ぎでした。
色んなところでジャイアンツグッズ。
お菓子屋さんにも、こんなカップケーキが。
すごい色。
 
 
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帰国前日。
地下鉄構内。
日本ではショッピングする暇がなくて、
珍しくストレスが溜まってたから、
色々お買い物して満足げなわたし。
変なポーズ。。。


と、何だかホントにお仕事?って感じの内容でしたが、
コレクションも見たし、ギフトショーにも行ったし、
NYのアートシーンについて、いろいろ話も聞けたし。。。

充実かつ刺激的な旅でした。

と、帰国後休む間もなくいろいろあったのですが、
それについてはまた後日。

最後まで、お付き合いありがとうございました。


 
 


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遠く離れていても

こんばんは。
こちらは早朝です。。。。

と、なぜなら、現在LAにおります。今日はこれからNYに移動です。

実は、28日からアメリカ出張しております。
出発の直前まで出張とは関係ない準備に追われ、飛行機に乗り遅れそうでした。
LA到着までのエピソードだけでも、3回分くらいブログが書けそうです。。。

何とか無事に到着しました。LAです。

 
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知人からの情報を頼りに、ギャラリーやショップ巡りなど。
やっぱり、日本のサブカルチャー強し。
どこへ行っても、TAKASHI MURAKAMIです。
  
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そして、昨日はハリウッドにも立ち寄りました。
映画や日本のショッピングモールで見かける、あの街並がそのまま。
そして、通りかかったチャイニーズシアターにレッドカーペットが。
またまた遭遇しました、プレミア試写会です。

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“またまた”というのは、以前ドイツに行った時にも、
偶然『IN HER SHOES』のプレミア試写会に遭遇したから。

周りの人が叫んでる俳優の名前は、「マシュー!!!!」。
そう、マシュー・マコノヒーでした。
道路の反対側から背伸びをして見ていたら、何と彼がこちら側へ。
みんな紙とペンを持って大騒ぎ。
私も、どさくさに紛れて、手を伸ばしました。
もちろん「マスィユゥ〜!」と周りの人の発音をまねして叫びながら。

すると、何と彼は、人ごみの後ろの方にいた私と握手してくれたのです!
しかも、手を握りながら「How are you?」と話しかけてくれました。

日本人なんていなかったから、目立ったのかしら???

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ありえないボディバランス。
さすがハリウッドスターは違います。
本物は、すごいです。

なんだか、ただの観光旅行のようですが。。。

というわけで、次回はNYのお話し。

ではまた〜!
 
 

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